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診断士向け!中から見る、顧客から求められるコンサルタントの要件とは?

 

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本業の話です。
アサイン中のプロジェクトで、事業計画策定(数値面)を、コンサルタントに依頼するか否か議論になりました。

本来は社内で行うことが望まれます。
しかし、プロジェクトの体制・マンパワーが十分でないため、「コンサルタントが常駐し、その役割を担ってもよいのでは?」と考えた次第です。

結論は、コンサルタントの常駐は不採用になりました。
不採用に至るまでに論点となったポイントは、以下のとおりです。

①社内の人間と円滑にコミュニケーションを取れるのか?

コンサルタントは、インタビューや資料授受を通じて、会社・事業の全体像を把握します。ここのコミュニケーションを誤ると、適切にやり取りができずに事実を誤認しがちです。

 

さらに、資料の解読に多くの時間が割かれることで、期間内でのタスクの完遂が困難になります。


また、コンサルタントが社内から信頼を得られる人間かどうかは、彼らのアウトプットの信頼にかかわります。信頼がないと、形式は立派でも、中身はたいして見ませんので。

 

②事業やプロジェクトの特性を短期間で理解できるのか?

事業やプロジェクトの特性に応じて、求められるアウトプットは異なります。
過去・現在を適切に理解し、事業計画のストーリー(未来)を数値に落とし込むことが肝要です。

事業に対する見識が深いことは理想ではあるものの、必須ではなく、キャッチアップできれば、それで問題ありません。

 

③②を踏まえ、財務モデルを構築できるのか?

財務モデルとは、前提条件の変化に応じてPL・BS・CFが連動し計画数値を算出できるモデルのことです。大前提は、株主や金融機関、社内に対して説明可能なものであることです。

モデル作成には、事業の特性を踏まえ、前提条件の項目を適切に設定し、Excelに落とし込むスキルが必須です。

加えて、プロジェクトの論点から数値の勘所が分かる、「数値に対する感度の高さ」が求められます。

 

まとめ

これらの論点を考慮し、本件では、コンサルタントは不採用となりました。


上場会社(弊社)と中小企業で、論点は異なると思います。

ただ、経営企画の現場ではこうした議論がなされている、ということで、中小企業診断士の皆さんの活動の一助になれば幸いです。